musica

27歳女による音楽雑記。洋楽至上主義。

Right Side of Wrong / Bon Jovi

今回は、映画好きな方々に聴いてもらいたい1曲を紹介しようと思います。

 
Right Side of Wrong / Bon Jovi

米国のロックバンド、Bon Joviの8thアルバムであるBounceに収録されています。
Bounceはギターサウンドが際立つロックチューンと、ストリングスやピアノがベースの壮大なバラードが半々くらいという、面白いアルバム。
そして、歌詞は映画やドラマのように物語性のあるものが多い、というのも特筆すべき点でしょう。
発表時期は2002年。9.11に影響を受けて作られたことが、その背景にあります。

さて、アルバムそのものについてはまた追って詳しく記事にしようと思いますが、今日は中でも特にこのRight Side of Wrongという曲をご紹介しようと思います。

実はこの曲、あからさまにとある有名な映画をモチーフにしています。
ライヴ映像とドラマ仕立ての映像が混ざったこのビデオの最後のシーンで、ピンと来られた方もいらっしゃるかと思います。
そうでなくても、歌詞を見てみると一目瞭然かと思います。

A friend of a friend needs a favor
No questions asked, there's not much more to say
Me and the wife, we need the money
We've got four kids all hungry, one on the way
友達の友達から頼まれた
余計なことは訊かないで
言うべきことは何もない
俺もかみさんも金が必要なのさ
うちには飢えたガキが4人いて
5人目もハラの中
 
Slip these sweat socks in your shirt and pray they think your packin'
Be sure to keep your head down, don't look 'em in the eye
And don't get fancy, Ricky, we ain't Jimmy Cagney
Look at me, let's do the job and let's get home tonight
シャツにスウェットソックスをすべり込ませて
はたから見れば荷造りに見えるだろうか
絶対に顔を上げるな 目を合わせてもダメだ
それになリッキー かっこなんかつけんなよ
俺たちジェームス・キャグニーじゃないんだから
いいから俺を見てろ 早いとこやることやって
さっさと家に帰ろうぜ
 

[Chorus:]
I got a half tank of gas and if we run all the lights
We'll slip across the border on the wrong side of right
And just like Butch and Sundance we'll ride until the dawn
Sipping whiskey, singing cowboy songs
On the Right Side of Wrong
コーラス:
タンクのガソリンは半分ぐらい
信号さえぶっちぎれば
国境はすぐそこ 善と悪の境目さ
まるでブッチとサンダンスのように
夜が明けるまで走り続けよう
ウィスキー飲んで カウボーイソング歌って
ここは罪深き者のいるべき場所へ


We picked a helluva of a night, from the shore I see the skyline
In a couple of hours from now Rick, we're gonna get out of this life
We'll stop for smokes, I brought a six pack, we'll stop at lookers on the way back
Hell, we'll laugh this off, keep your fingers crossed that all goes well tonight
それにしてもいい夜を選んだな
海辺から地平線がきれいに見えるよ
いいかリック 今から2時間後には
こんな生活とはおさらばだ
ちょっと一服したら ビールでも買おう
あとはルッカーに立ち寄ればいい
きっと後になったら笑い話さ
でも今夜は すべてうまく行くよう祈っててくれよ
 
[Chorus:]
I got a half tank of gas and if we run all the lights
We'll slip across the border on the wrong side of right
And just like Butch and Sundance we'll ride until the dawn
Sipping whiskey, singing cowboy songs
On the Right Side of Wrong
コーラス:
タンクのガソリンは半分ぐらい
信号さえぶっちぎれば
国境はすぐそこ 善と悪の境目さ
まるでブッチとサンダンスのように
夜が明けるまで走り続けよう
ウィスキー飲んで カウボーイソング歌って
ここは罪深き者のいるべき場所へ
 
We'll make the grade, they'll know our names, I need a friend to drive here
Wear my necklace of St. Christopher and talk to him while I go inside
I'll take that suitcase, get the cash and we'll be gone before you know
Wait until we tell the girls we're moving down to the Gulf of Mexico...
絶対成功するさ そしたら名前も知れ渡る
使える仲間と一緒にね
聖クリストファーのお守りを首から下げたら
中に踏み込むときに語りかけよう
俺がスーツケースを持つ そこに金を詰め込んだら
あっという間に姿をくらませよう
彼女に早く言いたいよ
みんなでメキシコ湾に引っ越すってこと
 
[Guitar Solo]A friend of a friend needed a favor
Life was just what happened while we were busy making plans
We never saw nothing, there was a run-in
.9 millimeter steel was coming for the windshield of that Oldsmobile
As the cop said, "Show your hands!"
友達の友達から頼まれた
物事が動いた
必死に次のプランを練ってた時それは起きた
まるで気づかなかった 手入れだ
オールズモービルのフロントガラスめがけて
9ミリ拳銃突きつけられて
おまわりは吠えた 「手を挙げろ!」
 
[Chorus:]I got a half tank of gas and if we run all the lights
We'll slip across the border on the wrong side of right
And just like Butch and Sundance we'll ride until the dawn
Sipping whiskey, singing cowboy songs
On the Right Side of Wrong
 コーラス:
 タンクのガソリンは半分ぐらい
 信号さえぶっちぎれば
 国境はすぐそこ 善と悪の境目さ
 まるでブッチとサンダンスのように
 夜が明けるまで走り続けよう
 ウィスキー飲んで カウボーイソング歌って
 ここは罪深き者のいるべき場所へ
(対訳:中村美夏さん)


さて、どの映画かはわかりましたか?


 ちなみに私が個人的に面白いと思ったのは、主人公の相棒の名前が「リッキー(リック)」だというところ。
これを書いたのはジョン(・ボン・ジョヴィ、vo.)なのですが、Ricky(Rick)というのはRichardの愛称。ということはつまり、これはリッチー(・サンボラ、g.)のことなのね、と。そしてもちろん、主人公はジョン本人だということでしょう。映画好きなジョンらしいなという感じです(笑)。

Bon Joviは、割とストーリーテリングな歌詞を書くのが上手いバンドだと思います。
歌詞を読んで物語に浸りたい人には是非お勧めしたいです。
 

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オマケ
ちなみに、ヴォーカルのジョンが1990年に発表した、Young Gun Ⅱのサントラ兼ソロアルバムからは、こんなビデオクリップもありました。

Jon Bon Jovi - Dyin' Ain't Much Of A Livin '...
これは映画というよりは、米文学ですね(映像化は数多くされていますが)。
アンブローズ・ビアスの「アウルクリーク橋での出来事」がモチーフになっています。